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今回は、年の瀬も押し迫ってネタがないので(?)、何年も前にHPで公開していた文章を再掲します。
この再掲シリーズ、今後もネタ切れ時には登場しますのでよろしく!
(以下、文章は2004年のものです)
想像の宇宙船に乗って
前回のヤマトに続き、第2弾です。第1弾のヤマトの話は、嘲笑いただけましたか?(笑)
今回は、私が星や宇宙のことに興味を持つきっかけとなったもうひとつ、コスモスのお話です。
みなさんはカール・セーガンというアメリカの天文学者(生物学者でもある)をご存知ですか?コスモスは、そのセーガン博士が当時最新の天文学研究の成果をわかりやすい形で紹介した「英語で書かれた最高の科学書」とまでいわれた名著です。そのコスモス、後にテレビ番組になり、日本でも放送されました。まだ私が小学校4年生か5年生のころです。ヤマトで宇宙に興味を持ち始めた(笑)私は、この放送を見て完全に星の世界のとりこになってしまいました。同じようにこの番組を見て、将来天文学者になりたいとか宇宙関係の仕事をしたいと思った同年代は、結構いるんじゃないかなあ。
もう記憶が定かでないのだけれど、たしか番組冒頭でセーガン博士がたんぽぽの種をフッと吹いて、それが宇宙船になるんだよね。そして、セーガン博士が「さあ、想像の宇宙船に乗ってでかけましょう」とか言って始まるんだったよな~。その演出、プラス全編に流れるヴァンゲリス「天国と地獄」や「反射率0.39」などのサウンドトラック…小学生の僕には何もかもが新鮮で、驚きと感動の連続でした。そのころウチにはビデオデッキもカセットデッキもなかったので録音録画はできず、なんとひたすらノートにセーガン博士のセリフを書きとめていた(笑)でも、その手はしばしば止まり、気がつくと番組に見入っている自分がいました。それほど、セーガン博士が発するメッセージには強烈なインパクトがあったのです。
コスモスでセーガン博士が語るのは、単に最新の宇宙探査や研究の成果の紹介だけではありませんでした。それを優しい語り口と一流のジョークでわかりやすく伝えるのはもちろんすごいんだけど、その中にはいつもこんな呼びかけがありました。
「この広大な宇宙の中で、生命は地球にしか存在しないのか、人類はひとりぽっちか」
「人類は私利私欲のために、そのかけがえのない地球傷つけているのではないか」
今でこそ「宇宙船地球号」などと称して地球環境の破壊に警鐘を鳴らすことは頻繁に行われているけど、当時そういうことをきちんと科学をベースに論じる人は、しかもそれを普通の言葉でわかりやすく伝えてくれる人はそういなかったんじゃないかな。
金星の温室効果が地球の未来の姿になるかもしれないと警告したセーガン、「核の冬」を提唱し、人類が行き着いてしまった究極の技術に警鐘を鳴らしたセーガン、またその一方で、宇宙人探しに科学的なアプローチで真剣に取り組んだり、人間の善の部分や科学という思考方法を讃えたセーガン、彼のメッセージの根底にあるのは、人間の生への大いなる賛歌、奇蹟ともいえる進化への感謝、そして広大な宇宙と悠久の時の中に生きる我々に必要なもの、すなわち、宇宙への畏敬の念と謙虚な姿勢…そんなものではなかったかと思います。
一流の科学者にして最高のインタープリター、かつ最高の教育者であったセーガン博士は早くから難病を抱え、62歳の若さでこの世を去りました。しかしその存在は今も変わらず僕の目標であり、尊敬の対象です。もちろんそのレベルには届くわけないけど、この出張上映活動を通じて、氏が伝えようとしていたことのほんのひとかけらでもいいから子どもたちに伝えることができたら…いつも私の中にはそんな思いがあるのです。
著書コスモスは、セーガン博士がこの世でもっとも愛した女性の一人であろう、アン・ドルーヤンに捧げられています。
「アン・ドルーヤンに
限りなく広い宇宙、永遠に続く時間の中で、
アンと同じ惑星、同じ時代に生きることを喜びつつ・・・。」
カッコよすぎ!
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